スクラムチーム外と技術的な調整をするのは誰ですか?
プロダクト開発において、インフラ担当の部門や、利用するAPIの開発を担当している別のチームとの技術的な調整が発生することがあります。
このような調整をスクラムではどのロールが行うかですが、各ロールの責任を考えると判断できるでしょう。
まずスクラムマスターが実施することはない、と考えるのが妥当です。 スクラムマスターはスクラムの実践とスクラムチームが機能することに対して責任を持ち、極論するとプロダクトや技術、進捗などについては責任を持ちません(もちろん必要に応じて支援はします)。 スクラムを機能させる上で組織的な調整が必要であればそれに取り組みますが、あくまでプロセス面が担当範囲となります。
したがって、このような調整を行うのはプロダクトオーナーか開発者になります。
プロダクトオーナーはプロダクトのWhatとWhyを担当し、開発者はHowを担当する、というのが一般的な役割分担であり、プロダクトオーナーが技術的な知識を十分に持ち合わせていないことも多いので、技術的な調整については主に開発者が担うのが自然と考えてよいでしょう。 ただし、開発者は調整内容や調整結果に対して透明性を保ち、プロダクトオーナーへの説明責任を果たす必要があります。
また技術的な調整に付随して、提供スケジュールの調整も発生する場合は、プロダクトオーナーの関与が必要になることもあります。たとえば実装のパターンに応じて提供スケジュールが変わる場合、プロダクトの観点からどれを選択するかはプロダクトオーナーの意向も反映しなければいけません。 なお、プロダクトオーナーは自身が最終的な責任を取る前提で、各種の作業を委任できます。
以上から調整の内容に応じて、プロダクトオーナーと開発者が調整に関与すると考えるとよいでしょう。