Q. プロダクトバックログの見積りについて、規模や工数を算出する時にどんな方法を使えばいいですか?

プロダクトバックログアイテムの見積りは継続的に実施する活動なのでタイミングごとに説明します。

まずプロジェクト初期に全体で必要そうな工数や期間などを算出します。 算出の仕方はスクラムでは規定はありませんので好きなやり方を使ってください。 例えばファンクションポイントも使えますし、見積りのノウハウが蓄積されていればそれを使っても構いません。 大事なのは初期のプロダクトバックログアイテムのすべての開発を「約束」するわけではないので、この見積りは開発チームのサイズや期間の算出に使うだけであるというのを意識することです。 ここで開発チームのサイズと期間が決まれば、プロジェクトにかかる費用は算定が可能です。 もちろん先に予算確保や投資可能額が決っているのであれば、それを前提にしても構いません。

次に個々のプロダクトバックログアイテムの見積り方法ですが、これ自体もスクラムでは細かい決まりはありません。 決っているのは「プロダクトバックログアイテムを見積もっておけ」という点です。 人日や人月で見積もっても構いませんが、細かく見積もることにあまり意味はないので、相対的なサイズを1,2,3,5,8,13,20…などのフィボナッチ数列を使って表したりTシャツサイズと呼ばれるS/M/L/XL/XXLなどで表したりします。 最初の何回かのスプリントを実施すると開発チームがどれくらいの量を1スプリントで完了できるかが分かってプロジェクトの着地点の予測精度が向上していきます。

なお、個々のプロダクトバックログアイテムの見積りはスプリントが進んで色々なものができあがったり開発チームの能力が向上することによっても変わっていきますので、バックログリファインメントのイベントを活用して上位のプロダクトバックログアイテムは定期的に見積りしなおしてください。