Q. インクリメントに対するステークホルダーの承認はいつどうやって取ればいいですか?

従来型の組織や受託開発だと、作ったものに対して何らかの承認行為があるかもしれません。 このとき、たとえば、スプリントレビューでインクリメントを披露して参加者の承認を得るような形にしてしまうと、スクラムのイベントが持つ本来の意味が失われます。 すなわちフィードバックを得て今後の参考にしようとするのではなく、なんとかして承認を得ることが優先になってしまいます。 また承認が得られなかった場合に、自動的に次のスプリントに作業を持ち越すようなことにもなり、柔軟性も失われます。

スクラムにおいては、スクラムチーム以外のステークホルダーによる承認行為はありません。 スクラムチームが権限を持って自律的に働いていく必要があります。 もちろん、組織のルールなどによって、さまざまな承認プロセスを通す必要はあるかもしれませんが、それらは日々の活動の一環として行うべきものです(たとえば、プロダクトオーナーが個別にステークホルダーとやりとりしたり、プロセスを通したりする)。 スクラムのイベントを承認ゲートにしてはいけません。