Q. スクラムにおいて開発者を社外から集めるとどんな問題がありますか

開発者を社外から集めるというのは大きく分けると2つです。

  • 開発をまるごと別の会社にやってもらう(別の会社に発注する)
  • さまざまな会社から派遣やSESで来てもらったりフリーランスの方にチームに入ってもらったりする

どちらの形態なのかによって多少の違いはありますが、以下のような問題が起こりやすいです。

  • 開発のノウハウや暗黙知が永続しない(暗黙知をすべて形式知化することはできないので、どこかで失われてしまう)
  • 外部から参画しているメンバーは必ずしもプロダクトの成功に対するインセンティブがない。そのためプロダクトのアイデアや改善のアイデアがあまり出ないこともある(もちろんメンバーによる。ただし全員がコミットすることを期待するのは無理)
  • 発注者がプロダクトオーナーをすると、プロダクトオーナーが考えたことを開発者に伝え、開発者は言われたとおりのものを作るだけという構図になりがち
  • 新規に開発を始めるたびにチームビルディングなどの活動、コミュニケーションやプロセスの設計などチームを円滑に機能させるための取り組みが必要になる(そして、そこにかけた労力は使い捨てることになる)

もちろん組織として外部から開発者を集めなければ、自組織だけでは十分に人がいないということもあると思います。 その場合は、上記の問題を理解した上でチームを作り、チームが機能するように支援してください。 そして、チームが機能するようになったら、そのチームを丸ごと維持するようにします(プロダクトやプロジェクトに人をアサインするのではなく、チームをプロダクトやプロジェクトにアサインするように変えます)。 メンバーを頻繁に入れ替えたり、委託先を変えたり、開発ごとに新しいチームを立ち上げたりするのは大きなムダです。