見積もれないプロダクトバックログアイテムがあるときはどうすればいいですか?
「見積もれないプロダクトバックログアイテムがある」という状況自体は問題とは限りません。 見積もれないというのは、「プロダクトバックログアイテムに不確実性や情報の不足がある」ことを示す正当な見積り結果であり、それが把握できているのはむしろ健全です(見積もっていないのとは違います)。
見積もれていないアイテムすべてですぐに対応が必要とは限りません。 たとえば、プロダクトバックログの後ろの方にあるプロダクトバックログアイテムなら、今すぐに見積りを正確にしようとする必要はありません。 まずは「見積もれない」という印や「大きいことだけを示す見積り(粗い見積り)」を入れておき、今後のリファインメントを通じて、内容を明確にし、スプリントに投入するまでに1スプリントに収まる大きさにすればよいでしょう。
一方で、見積りができないような準備不足のプロダクトバックログアイテムを無理にスプリントに投入するのは避けてください。そのようなプロダクトバックログアイテムは完成しない可能性が高く、スプリントゴールの達成を危うくする要因になります。
もし技術的な理由で見積もれない場合には、「スパイク」という手法を用いるのが有効です。 スパイクとは、技術的な調査・検証を一定のタイムボックスのなかで行う方法で、実装の前にリスクや不確実性を減らすために使います。スパイクによって得た知見をもとに、あらためて実装の見積りをすることで、見積りの精度を上げ、スプリントゴール未達のリスクを減らせます。