スクラムでは「成果物」ではなく「作成物」と呼ぶのはなぜですか?
スクラムでは、プロダクトバックログ、スプリントバックログ、インクリメントのことを作成物(Artifacts)と呼びます。
最大の理由は、スクラムによるプロダクト開発での「成果」は、プロダクトの利用者に価値を届けることに他ならないからです。
- プロダクトバックログは、スクラムチームの持ち物であり、これ単体で誰かに提供するものではありません。つまりプロダクトを開発する上での中間作成物に過ぎません。
- スプリントバックログは、開発者の持ち物で、スプリントごとに破棄されます。もちろんこれ単体で誰かに提供することもありません。したがってこれも中間作成物です。
- インクリメントは、いちばん「成果」に近いですが、スプリントレビューで検査したり、実際にリリースした結果を見たりして、初めて価値があるかどうかわかります。すなわちスプリントで開発した時点では「成果」であるかどうかはわかりません。
これらの理由から、スクラムでは「作成物」と呼ぶようになっています。作成物は「誰かが作成したもので、成果とは限らない」という意味なのです。