スクラムチームのメンバーを入れ替えるときに気をつけることは何ですか?
まず大前提として、スクラムでは安定したチームを推奨しています。 これは、チームの中での信頼関係や作業のやり方が成熟するにはある程度の時間と経験の蓄積が必要だからです。 そのため、人の入れ替えがあると、チームに影響が出る可能性があります。
とはいえ、現実の組織では異動や退職、新規メンバーの追加などで、チームの構成が変わることもあります。 その際は、以下の点を考慮するとよいでしょう。
(1) 一度に入れ替える人数は最小限にする
チーム全体をガラッと変えてしまうと、それはもう別のチームです。経験上一度に変えてもチームとして形を維持できるのは、チームのサイズの2割くらいの人数までです。理想的にはゆっくり1人ずつ入れ替えてください。
(2) 新メンバーのオンボーディングを行う
スクラムの経験がない人や、ドメイン知識が浅い人が入る場合は、オンボーディングが必要です。 いきなり開発に入ってパフォーマンスを発揮できることを期待しないでください。
(3) チームで仕事の進め方を再度合意する
メンバーが変われば働き方にも影響を及ぼします。 チームの仕事の進め方(Working Agreement)を改めて確認してください。 今までのメンバーにとっては暗黙だったことが通用しません。
(4) しばらくの間はパフォーマンスが落ちることを受け入れる
人が変わればチームとしての成果量も変わります。 短期的にパフォーマンスが落ちるのは当然です。それをいきなり問題視しないでください。
なお、誤解がないように言っておきますが、ずっと同じメンバーで固定したいわけではありません。 重要なのは、チームとしての安定性をどう保つかであり、長期的には当然、メンバーの入れ替えが起こります。